「登山届」の役割って?いまいち分からないので調べてみた!
登山口には大抵「登山ポスト」と呼ばれる登山届提出用のポストが設けられています。
一応登山届を書いて投函するけど、
・どんな形式のもの使えばいいのかよくわからないし
・結構項目があって書くのが面倒だし
・提出だけしといて下山時には何もしてないけどそれでいいの?
とか、わからないことがいろいろ。
でもみんなが提出するのにはしっかりした意味があるはず!
ということで登山届の役割を調べてみました。
1. 登山届の役割は?
調べて出てきた主な役割は下記の4つです。
①無計画登山を防止するため
②山行メンバーとの情報共有のため
③緊急時の捜索活動をスムーズに行うため
④登山マナーだから
順に見ていきましょう。
①無計画登山を防止するため
登山が簡単だと言われている山、例えば高尾山を登る場合を考えてみます。
高尾山の登山者数は世界一で年間260万人もいるそうです。
ですが、そのうちいくつの団体が登山計画を立てているでしょうか。
勝手な予想ですが、1割にも満たないと思っています。
サンダルやヒールで登れる、酒を片手に登れるなど、いろいろ噂を聞くので
気楽に登れる山としての認識が大きいかと思います。
そんな高尾山の事故件数を調べてみたところ、平成28年には81件発生していました。
(資料には高尾山系と記載されているので、高尾山だけではありません)
参照:警視庁HPより
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/9/takao/tozan/image/sounan_list.pdf
登山者数に対してこの件数が多いのか少ないのかはわかりませんが、事故は発生しています。(検索エンジンで「高尾山 事故」とか調べると結構出てきます。)
全員が計画を立てていなかったとは思いませんが、計画を立てることで防げた事故もあったかもしれませんね。
②山行メンバーとの情報共有のため
・グループ登山を行う場合、リーダー以外が行程を知らないことはないでしょうか。
・リーダーが行程を知っているから自分は後をついていけばいいと行った登山があったでしょうか。
万が一はぐれてしまった場合、遭難などの事故に発展する可能性が高くなります。
計画を立てる際に登山届をメンバー全員で書くとか、書いたものを印刷して事前に配ることで、メンバー全員が山行情報を把握することが大切です。
③緊急時の捜索活動をスムーズに行うため
ここまでは別に登山届書かなくてもなんとかなるじゃん?って項目でした。
登山届を書き、提出する1番の理由がここです。
万が一遭難してしまったら?
誰もが自分は遭難しないだろって思っています。でも毎年遭難事故は発生しています。
遭難に一番最初に気付くのは家族や友人、学校、職場の人です。
何日経っても家に帰ってこない、連絡が通じない、出勤してこないなどの異変から
何かがおかしいことに気付きます。
事前に登山の予定の詳細を伝えていればその人たちの通報により警察の捜索はスムーズに行われるでしょう。
だって登山届には日程、行く山、ルート、ポイント毎の到着時刻などがしっかりと記載されていますから。
装備や非常食の記載があれば、捜索の緊急度や規模も適切に変えることができます。
もし伝えていなければ1からの捜索のために時間がかかってしまいます。
山に行ったことも伝えていなければそもそも異変に気付くこともないかもしれません。
発見は遅くなり、救助費も膨らむでしょう。
④登山マナーだから
これが1番重要。良き登山者はマナーを大切にするのです!
2. 何をどうやって書くの?
登山届には、メンバー、緊急連絡先、目的の山名、行動予定、装備、持ち物、非常食などを記載します。
書き方は自由形式でOKとのことなので、用意されているひな型を使いましょう。
「登山届 ひな型」とか検索すればたくさん出てきますので、自分の書きやすいと思ったものを見つけましょう。
山と高原地図を持っていれば、ガイドブックの最後のページにあります。
下のは日本山岳協会に掲載されているひな型です。
参照:日本山岳協会HP
登山と計画(計画書・登山届の作成):JMA 公益社団法人 日本山岳協会
(PDF,Word,Excelの形式で用意されています!)
書くときは上記の③で書いたことを意識してください。
詳細に書いているほど、"万が一"に備えることができます。
3. どこに提出するの?
日本山岳協会HPには次の提出先が挙げられていました。
・家庭、クラブ(山岳会)、職場、学校
・山域の登山指導センターや案内所、登山口のと登山届ポスト
・登山山域の都道府県警察本部地域課または山域を所管する警察署・交番・駐在所
個人的な感覚ですが、下の2つはほぼ同じだと思っています。
登山ポストを管理しているのが地元警察なのかなと。
上記の③で記載しましたが、自分に近しい人に提出しておくことが大切です。
ウィキペディアによると、
提出した個々人が無事に下山したかどうかは警察が把握する運用とはなっていない。下山予定日に下山しなかった遭難者の検知は、警察ではなく家族(あるいは職場)の通報により行われる。
と記載されていました。
また、無事に下山したら登山届を提出した人たちに連絡することも大切ですね。
登山届の提出が義務になっている地域もあります。
例えば、長野県内で指定の山に登る場合は登山届の提出は必須です。
参照:長野県HP
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/smartphone/tozankeikakusho.html
これを守らなかったために罰則を適用されている例もあるみたいなので、登る止めについては事前によく調べましょう。
4. 紙に書いてポストに提出するなんて古くない?
オンラインで登山届を提出するCompassというサービスがあるようです。
コンパスHP
こちらについては別で調べてみようと思います。
5. まとめ
面倒だなーと思っていた登山届の重要性を認識することができました。
手間かもしれませんが、荷物にはならない、登山の1番の備えだと思います。
しっかり登山届を提出して山行を楽しみましょう!